想い出

「地を這う」フィールド・ワークを信条という私にとって,このタイトルは意外だ.

そう感じるのは,最近のすさまじい刺激と,出張後の各種締切で,「追い込まれているという焦り」が,そうさせていた,のだろう.また,鼻炎から来る体調不良(微熱)が,追い打ちをかけていた.

・・・そう,眠れない深夜に,睡眠薬をのみつつ感じた.

こういったことは,海外のフィールドの前のあわただしい時期や,一時帰国時,フィールドにはいったときに,こういった症状で,通常働かない脳が興奮状態になる(笑).


・・・という訳で,昨日は仕事する予定であせって詰め込んでいた知識,そして荷物をあきらめ,家事(洗濯,食事の準備,子供の迎え,送りなどなど)や,買い物を兼ねた30分程度のバイク乗りで,あえて【考えない時間】を作った.
その中でも,とくに至福の時間だったのは,僅か一時間程度の「活字に溺れる時間(新聞,たまった雑誌,山のような学術本,文庫)だった.

こういった時間も,お金はないが,あえて創るにも,必要だと感じた.

とくに,某研究所でのプロジェクトの研究打ち合わせでは,私の自己形成を行ったネパール・ヒマラヤでお世話になった方々中心メンバーが子られれおり,また若い志高い研究者との会話や研究発表で,次のエッセイを思い出して,ロマンティズムに沈殿した.


それは,

吉田直哉(著)「ネパールのビール」である.現在でも,文庫でも入手できるので有名なエッセイだろう.
心が疲弊しているときに,この秀逸な活字を追ってゆくと,次第に,私の20代のはじめてのヒマラヤの青春が思い出され,ウルウルとなってくる.

つまり,多感な時期をこの地(厳密には同じ地域をフィールドにしていないが)ですごした「経験」が,この文章だけで,蘇ってくるのだ.

月並みなコトバで表現と,今の流行語で表現すると,「癒し」だが,私にとって,たぶん一生大切な「活字」である.

フィールドでは,可能な限り情報を得ようと,自称,「ハイエナ フィールド・ワーク」(いやしいとも表現しますが)をしますが,これを読むと,すこし,優しくなれる自分を実感することができます.
それと,沢木耕太郎の文庫は,つねに旅に持参します.


まったく,しょうもないことを書いてしまう自分も自分だと,添付写真の好きな絵を見ながら「妄想」してしまいます.
この実際の絵を見たのは,学部4回生の時ですが,ほんとうに迫力があり,圧倒され,そして疲弊しました.

結論
某先生に学部四回生の秋,シリアのアパーメア遺跡で指摘されたことですが,「若い時の感受性は一生ものだ」.「できるだけ若い時に出ろ.そして本物を見ろ」.

ほんとうに,そう感じています.
インドのカルカッタ(コルカタ)では,若いバックパッカーが少なくなってきていることを感じます.若い人は,何で悩んでいるのだろうか,と.

・・・・・・んんんん.いまいちオチに乏しいが,歳のせいだろうか.

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