恒例行事と志

この時期は,研究者(といっても,ちゃんと研究しようという意志と志のあるひと(ちょっとトゲがありますが・・・・・))にとって,書類にまみれる時期.毎年,毎年.

そう,「カケンヒ」.科学研究費補助金というもの.


ノーベル賞の日本人受賞で,基礎研究の重要性が,マスコミ(私にとってのマスコミは,M新聞)で取り上げられ,応用,つまり,すぐに役に立つ,すぐに結果が出せる研究に資金が集中する,ような論旨の文章がおどる.

まあ,そうだろうが,フィールドでの感覚を重視して,そこに住み続けるひとにとって(役に立ちたい),と考える,輩(私も,その仲間に入れても恣意)にとって,ちょっとズレた展開だとも感じる.

結論として,お金や機材などそうかからないが,フィールドでの感覚と問題発見することに喜びを感じる,研究者の成果や振る舞いにも,もっと焦点があたってもよいのでは,と感じた次第だ.


確かに,遊びでない,プロとして,いや,職業研究者として行う研究は,「仕事」(=それで,給料がもらえること)なので,研究資金は必要である.ありあまるお金に恵まれたことはないが,先に研究代表者としていただいた(あたると思っていなかったが)カケンヒは,結果として「可能性」と「人脈」を広げてくれ,大いに感謝している.


「税金」である.その税金を使っての研究効果というと,私がいうのもあれだが,「心許ない」(あくまで,私は,のだが).もっとも,研究者としての義務である研究発表や論文での公表以外のことだ.


「心許ない」というのは,「どうしようのない現実」におかれている,フィールドとしている途上国の現実への,・・・だ.ちょっと,これも色眼鏡はあり,そこに住む人は,そこでの楽しみも生き方もあるし,旅行者の私には,理解できないことの方が多い.


「若い」といわれそうだが,その感性は大事にしたいと,つくづく思う.(もっと,トゲのある表現をすると,そうでない【搾取型】(この表現は,著名な東南アジア研究者が用いていたことを最近知って,驚いた),の人「も」いる人だ.【そう,振る舞うことはできるということだろう.たぶん.私にはできそうもないが,観察していて,軽薄にも,もっと毒をはくと,「かわいそう」にも感じる.】


注1)もちろん,そうでない尊敬すべき研究者が,私に関わってくれていて,おおいなる励みにもある.


【閑話休題】にしよう.ちょっと,デスクワークで,ストレスが堆積しまくっている.


数日前の,カケンヒの打ち合わせ後,帰宅途中,某,古都の国立大学近くの私鉄駅で,いそがしそうにPCを持ちながら電車を移動するIP何とか細胞のY先生を見た.

・・・注目もされ,お金も,結果として人も集中する研究者も,たいへんだと,その人の背中を,横目でみながら感じた.


要は,「生き方」で説明できることなんだとも思う.


人気の,「愚妻」ネタは,しばし封印注(中)です.



注1)の志高い研究者のあつまるプロジェクトは,下記Webで紹介されています.ぜひ,応援頂きたいし,この場でも,情報を発信してゆきたいと思っています.心地よい,空間と時間で,研究者を志したときの,思い(=私のいう青春)が,よみがえってくる.


地球研「高所プロジェクト」Web
http://www.chikyu.ac.jp/high-altitude/index.html

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