雨男の調査日

待ちに待った訳ではないが,現場担当者の心意気に共鳴でき,また遺跡らしい遺跡
の調査のため湖西の山中へ電車で2時間.まだ肌寒い.先の調査は1月の雪の中だったので
ましだが.

いわゆる中から高位段丘上の眺望のよい場所に立地する中世頃と推定される「庭園遺構」.
(ただし,ほとんど情報なし)

なかなか,日本ではお目にかかれない「国やぶれて山河....」が口にでそうな,
隠れスポット的遺跡.当時の都落ちした上流階級の生活者の息吹が聞こえそうで,
なんとも表現しがたい風情を感じる.
また,それが怨念を感じさせないような,オドロオドロシサがないのである.(科学者
の発言ではないが).

場末の定食屋で,おせじにもうまくない「わかめうどんといなり寿司定食」,630円を食
したあと,迎えに来て頂き,現場に入った.

先の調査の堆積層・相の記載断面を思い浮かべながら,サンプリング計画などを考えていたら「雨」.
この時期の雨は強くふらない.

しかし,フィールドノートと長靴の中はびしょぬれで,慣れているとはいえ,閉口する.
この集中は「好きだからだろう」と思うし,現場で議論することは,さまざまな
イマジネーションをかき立てられるし,道中の時間はよい読書時間である.
また,現場にきていた学生との会話も楽しい.10年前の自分を照射できるので,刺激である.

いま,春休みなんですね.駅ごとに学生さんの会話の内容も質も違って,おもしろい.
また,ネンドマツであるので,大人は忙しそうだ.

7時頃に最寄りの駅によって,海外調査で必要な薬や換金レートなどを確認していたら,8時.

帰りはバス.

その道中はもちろん・・・・.

フィールドにでると「興奮」し,体中泥だらけだったことを嫁に指摘された.近所の若夫婦に
「不信」の目が・・・

こうしてフィールド研究者の一日は終わる.

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