折り合い

Bhutan Mineral Water

ある編著本の序章を精力的な活動で知られる地理学者と共同でまとめている.

 

・・・と記述すれば,研究が進展している,と誤解されるが,研究史を紐解いて行くと,そこには,ヒマラヤのような「高み」,いや「厚み」に圧倒される.

集まった原稿を読み込んでゆくうちに,全体としての整合性を,どのように形作ってゆくのかという配慮が求められ,読者を意識しつつ,少ない引き出しを出したり,戻したりの作業を繰り返している.

換言すれば,研究史の整理のため,代表的な作品を読み込む必要があり,「行ったり,来たり」の迷路のような状況.

・・・のように,どこでどう「折り合い」をつけるのかを意識しながら,格闘している.

ただし,勉強にはなるが,圧倒されることに起因する「疲弊」を感じる.

山に登ったときのような「爽快感」は全くないが,校正段階の,「喜び」を妄想しながら,という段階.

 

写真は,お金のかからない趣味である調査地で出会ったミネラル・ウォターのラベル集め.誰も共感してくれないが,地域性がにじみ出ていて,地理屋として,たいへん「おもしろい」.