遺跡の立地環境からみた琵琶湖周辺の環境史

水野章二編『琵琶湖と人の環境史』,岩田書院.

が手元に届きました.

私が分担執筆した部分は,下記です.

厳しい学術書出版事情の中,すこしでも売れてくれればいいのですが...

宮本真二(2011)遺跡の立地環境からみた琵琶湖周辺の環境史.水野章二編『琵琶湖と人の環境史』,岩田書院,27-40.

琵琶湖と人の環境史(新刊案内)

私の拙論はのぞいて、標記の一冊が刊行されたよう(まだ手元になく、チラシが先行して届いた)ですので、ご案内いたします。 

やはり、琵琶湖周辺地域は、「環境史研究」の先端的な場であることを自覚しました。

ちなみに、私の原稿の著者校正時、初校はヒマラヤ山中の3800mのテントの中で、再校は、バングラデシュのジャムナ川の船上で、デジカメで原稿を作成し、アクセスポイントに注意しながら、メールで返信するという、「離れ業」で、内容より、そちらのプロセスが想い出深い作品となりました。

(ここから、岩田書院のWebより転載)
琵琶湖と人の環境史
附録CD-ROM

水野 章二 編
(滋賀県立大学教授/1954年生まれ)

2011年5月刊
A5判・272頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-691-8 C3021
6600円 (税別)

本書は2006年度から4年間、滋賀県に拠点を置く滋賀県県立大学・滋賀県立琵琶湖博物館・滋賀大学3機関の環境史に関心を持つ研究者が、科学研究費補助金を得て、共同で進めた「琵琶湖の歴史的環境と人間の関わりに関する総合的研究」の成果をまとめたものである。
文献史学・考古学・地理学・民俗学などの研究者が、琵琶湖というフィールドを対象に、そこで展開された人と自然の関係を考察し、新しい環境史研究の構築をめざした。
共同研究のなかでは文献史料や地籍図などの調査・収集も進めたが、最も力点を置いたのは、琵琶湖集水域の古代・中世集落遺跡を、刊行された発掘調査報告書 から拾い出し、それを集成する作業であり、その成果が添付CDの資料である。なお湖東地域については、整理内容を旧市町単位に文章・グラフにまとめた。
【主要目次】
序章 琵琶湖の歴史的環境と人間 水野 章二
第1章 遺跡の立地環境解析からみた琵琶湖周辺の環境史 宮本 真二
第2章 近江の古代・中世集落遺跡−栗太郡の分析を中心に− 志賀 崇
草間正彦
コラム 湖東地域の古代・中世集落遺跡 水野 章二
第3章 近江国河上荘の湖岸と後山 水野 章二
第4章 中世前期の堅田漁撈
−『賀茂社諸国神戸記』所収堅田史料の紹介−
橋本 道範
第5章 安土城築城期における大中の湖の湖沼環境変化 古関 大樹
第6章 近世の琵琶湖岸村落と幕藩領主
−高島郡針江村の水辺の土地支配−
東  幸代
コラム 中世奥嶋の環境と土地利用 杉浦 周子
第7章 琵琶湖岸における逆水灌漑 市川 秀之
第8章 琵琶湖岸村落の「文化的景観」の全体構造
−滋賀県高島市針江地区の「里湖」と「里川」−
佐野 静代
コラム 琵琶湖岸の生業と景観
−「近江八幡の水郷」の現状と課題−
塚本 礼仁
付録CD 近江の古代・中世集落遺跡集成 志賀 崇
草間正彦
湖東地域の古代・中世集落遺跡 国分 政子