琵琶湖の上空と,融合(2012年7月3日)

いろいろな締め切りや、催促などで忙しいなかでも、出張などが続く。

(忙しいなら、出張するなということは、フィールド・ワークをするな同義!?である。)

このところの動きは、以下の3つ。

 

1)共同研究のあり方

2)岡山の考古学

3)琵琶湖とエコトーン研究

 

1)共同研究のあり方

昨日までは、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所における共同研究

「社会開発分野におけるフィールドワークの技術的融合を目指して」

(代表:長崎大学・増田 研)に、一年ぶりに参加した。

昨年は、海外調査との日程が合わず参加できなかったが、刺激的であった。

その前の週には、広島大学で開催されていた文化人類学会に人生で初めて参加して、

以下のようなことを感じ入った。

(仲間へ流した感想の一部。地理学者は一人だけ)

 

1)「実際的に、方法論が(ある程度)融合させられたモデルとなる地域 (フィールド)調査を構想・計画する段階」にある。 ・・ということです。机上において、異分野との研究者で、いまの現状に納得できないフィールド志向 の(話せる)研究者同士が、うだうだ議論することは必要ですが、実際の成果を 見せる段階になっていると思います。(若手(次世代)を意識した地域調査の一つのあり方の提示) 既存の領域との技術的データの精緻といった観点から、批判することはあまり融合を志向する立場からは、

生産的ではないように感じます。それよりも、データの加工段階で、異分野の視点から、解釈の多様さを議論する ほうが、生産的だと考えます。

 

2)「もっとも共同研究を苦手とする文化人類学(宮本、2011)は、「問い」(問題意識)を他の領域でも共有で

きるものとして、地域(フィールド)調査を企画・立案する段階」です。 そのなかで、保健医療や公衆衛生を「大きな問い」として、融合させた地域調査は、この共同研究の「落としどころ」かもしれませんね。

 

2)岡山の考古学

 岡山の考古学といえば、「考古学研究会」?。・・・・思うところは多々あるが、入会した。

 フィールドを開拓しないといけないが、日本考古学(そもそも、「日本」と冠する意味はあるのかと??大いに疑問)とは違う視点での研究を展開したい。

 

3)琵琶湖とエコトーン研究

 共同研究を持ちかけられているので、前の職場(琵琶湖博物館)や、県内の大学関係者のネットワークを活かした調整も再開する予定。

・・・ということを、琵琶湖の上(下の写真)から考えていた。

 

around Lake Biwa
around Lake Biwa

移動しながら「感心」(2月26日)

「休日」のはずなのだが,1)移動,2)事務仕事,3)調べもの.で休日感はまったくない.(毎年,この時期はこういっているような気が・・・・・)

そのような年度末の中,以下の変化があった.

1)弁当箱(ノートPC)の更新

2)共同研究の進展具合の確認

3)友人からの便り

4)ビルマ(ミャンマー)民主化

1)に関しては,Macintoshに改めて環境を統一する意思を固めて,先日MacBook Air納品された.で,いろいろセットアップを試みているが,驚くことは,速さと,クラウドである.1993年での卒業論文は,本体は書院で記述し,表紙や一部の図に関しては,師匠の研究所で導入されていたマッキントッシュのクラシックを使わせてもらい,Canvasなどを使い始めた.いまでも鮮明に記憶しているのは,レーザー・プリンターの「美しさ」である.

ある事情で,自宅に眠っていたMac Power book 53oocsが出てきて,その大きさに驚嘆した.長い学生時代にノートPCは欲しくてたまらなかったが,貧乏で購入できず,就職が決まった直後に,京都の電気街でさっそく月賦で購入した,「思い出の機種」.

いろいろ不具合が発生し,総額で60万円は投資したと思うが,「けなげ」に電源をつなぐと起動した.

やはり,マックは「美しい」

2)東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・共同研究「社会開発分野におけるフィールドワークの技術的融合を目指して」(代表:長崎大学 増田 研)

http://lalombe.icurus.jp/yugo_ken/

に参加させてもらって,楽しまさせてもらっているが,今年度は海外調査や国内での出張が重なって一度も参加することができなかった.

代表の増田さんは,まったく学生時代は接点はなかったが,アフリカと都立つながりで,気があって,たのしく参加させてもらっている.

この共同研究のWebに久方ぶりにアクセスし,彼のドラフト(本の原稿のドラフトのようだが)に驚嘆した.つまり,一言で表現すれば,「異分野における課題の共通性」である.私は,地理学を専攻し,彼は文化人類の器用な研究者だが,認識する問題意識に共通するものがでてきた,と感じた.

もちろん,共同研究における議論の積み重ねで,認識や課題,または研究の方法論の課題は共有されてきているとは思うが,彼のレトリックで確認すると,より刺激的であった.つまりは,共同研究の醍醐味を味わうことができた.

とうぜん,個人の「芸風」や,分野間のレトリックの違いはあるが,正直,感心した.

「おぬし,なかなかやるなあ・・・」と.....

 

3)もう20年以来の親友からのたよりがあり,すこし感傷的になった.

 

4)民主化である.「真の」という方向性を期待したい.

 

・・・というような日々.

 

【写真】

先のミャンマー出張での荷物.たかだか10日間程度だったが,結構な重量になった.でも,ほんとうに,刺激的な日々だった.

 

 


					

Field+ No. 6掘って,削って,掘って,そして,つなぐ

右のようなすてきな雑誌が刊行され、私の駄文が掲載されました。

フィールドワークの魅力がつまった本当にすてきな雑誌です。

それが、500円というのはすばらしい。

 

 

 

 

 

宮本真二(2011)掘って,削って,掘って,そして,つなぐ.Field+no6,14-15.

自分を説明する「困難」

いろいろ精力的にがんばっているグループから依頼を受けて、同時並行的な原稿その1をまとめている。

通常、研究者において評価の対象としてもっともポイントが高いのが、「査読(閲読)つきの学術誌」であることは、ひろく共有されている事実だろう。

しかし、今の「困難」は、高校生以上を対象とした雑誌である。「ムラ」と称される研究者集団間では、卑下の意味を込めて「雑文」と称される方のいるが、わたしはそのようにはとらえていない。

根本的には、研究者集団という「ブラックボックス」をオープンにするべきだ、という想いがあるが、研究者の思考プロセスなども公開したほうが、科学や学問を孤立化させないためにも、大事な仕事だととらえてること。さらに、私たちの世代、もしくは以下にはこのような意識は共有されているだろし、その力量も研究者にとっては大切な行為だ。

もちろん、研究者にとって論文として成果を公表することは、義務でもあり、大事だ。

しかし、いま格闘しているのは、自らが「おもしろがっている」研究を、一般の方々を対象として1)平易な文章で、かつ、2)短くまとめること。

年度末の慌ただしさを理由に、充分な推敲を行わず、編集委員会の力量に「たよって」「あまえて」脱稿し、頭の記憶のなかからデリートしたが、「うならされる」コメントが帰ってきたのだ。

つまり、「自分のことを、自分で説明すること」で、自己の思い込みと、異分野間で共有されていない情報を、どう噛みくだいて書くか、ということ。

しかし、「自分のことが一番よく分からない」

・・・・というジレンマ。

「ん・・・・。さすがだ」というコメントと同時に、自己を見つめ直す機会を与えていただいて「感謝」だが、他のたまった性格の違う原稿と同時並行は、なかなか、「しんどい」と、相変わらず行ったり来たりの悶々とした日々が続く。(オチ無し)

 

Everest Beer from Nepal

"Everest Beer" from Nepal. Photo by Shinji MIYAMOTO

写真

もう、数ヶ月前だが、都市の再開発によってうまれた「隙間」に形成されたネパール料理屋で飲んだネパールのビール。

約2年前の12月、インドからネパールに入り、底冷えするカトマンズ市内で、それも、ストライキでホテルの一室に幽閉され、原稿を書いているときに出会ったビールと日本で再会。

ただし、高いし、少ないし、日本で飲むとそれほどの感激がなく。。。店主のネパール人に「いちゃもん」を入れた。いわれなき批判で店主はこまった顔をしていたが、友だちになった。

ヘタなネパール語を話す変なニッポン人と思われているだろうが・・・

健康第一と東京外国語大学共同研究「融合」

Photo by Yasuko Ishimoto at Arunachal Pladesh, India, Sep. 2010

 

写真から始まるこの日のブログ.

(この写真も,小生のお気に入り.撮影は,京都大学大学院医学研究科院生・石本恭子さん撮影.場所は,インド,アルナーチャル・プラデーシュ州)

 

この感性も刺激的.

 

・・・で.

 

今日は,一つまた(また)だが,乗りきった感慨に浸っていたら,信頼する仲間のアフリカ研究者が,調査の帰国後,入院の報で,研究会に参加できないの報が......

 

大事でなければという思いと,それよりも,彼女の「無念さ」を深夜に思って,ちゃんとした発表をしないと,と改めて思う.

その内容は,下記の通り.明日,準備します.

今日,重いパソコンをバイクにのデイバックに抱えて帰宅した.

 

    2010年度第4回「社会開発分野におけるフィールドワークの技術的融合を目指して」
    共同利用・共同研究課題研究会の開催について



1.  日時    2011年2月27日(日) 14:00~19:000
            2011年2月28日(月) 9:00~13:00

2.  場所    東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
            3階小会議室(302室)(東京都府中市朝日町3-11-1)

3.  内容    2月27日(日)
             1)金子聡(長崎大学)
             「地域でのデータ収集ツールとしてのHDSS(人口登録・動態追跡調査システム)」
             2)佐藤廉也(AA研共同研究員、九州大学)
             「森棲みの生涯:ライフヒストリー調査からみた焼畑民の成長・結婚・出生力」
             3)討論

            2月28日(月)
             1)宮本真二(AA研共同研究員、滋賀県立琵琶湖博物館)
             「地理「屋」は,フィールドで何をみているか?」
             2)増田研(AA研共同研究員、長崎大学)
             「本年度の総括と、来年度の予定について」