柳田邦男にみる組織論と危機管理,そしてオープンに

昨晩,以下の文章を昨晩読んでいて,とても感じ入った.

柳田邦男(2011)「巨大地震の衝撃 日本よ! この国はどこへ行こうとしているのか. 効率主義との決別を.」毎日新聞2011年4月12日夕刊.

《特に90年代以降,国や自治体の財政が悪化し,企業の生き残り競争が激化する中で,人減らしや組織をスリム化する効率主義が「闊歩」するようになった.「けれど,効率化という目標の前では,『前提条件がもし崩れたら』という発想は排除され,次善策も『ありえないこと』として削られる.それでは災害は絶対に防げない.どんな組織・システムも遊びや余剰部分があってこそ安全を保てるのです.」

最後の朱色部分は,「組織」の問題へと昇華できるだろうと思う.確かに,「仕事」である限り,組織の効率化や合理性の追求はとても大事だし,現代社会のネット環境に「適応」することも,スキル(=技術論)としては,プロの仕事人として身につけなくてなるまい.

「好き」とか「嫌い」の問題ではなく.

(とくに,ブラックボックス化しやすい,「研究」という領域を生業とする人間は,積極的にこのネットを利用して仕事をするのだけでなく,ネットを使ってブラックボックス化を防がないといけないと思う).

つまり,

上記の柳田は,危機管理「システム」に焦点をあてた「対談」で述べているが,危機管理をのぞいても,組織論として一般化できるのではないか,と感じ入った.

とくに,組織を管理する立場の人と年代の方は・・・・と思う.

【閑話休題】

右の写真は,南部アフリカ,ナミブ砂漠での調査中のテント内で,自己の足元の一瞬.フィールドワークの危機管理において.「余裕」は,身を守る上で,大事.