論文つくりと,トイレットペーパー

Sunset, central Bangladesh, along the Jamuna River, Feb./ 2008 Photo by Shinji MIYAMOTO

研究室の机上には,職業研究者になってから大事にしている新聞の切り抜きが,色あせてはいるが,変わらず貼ってある.もう,10年以上たつ.

それは,神沼克伊(国立極地研究所)氏の「80点主義」というちいさなコラム.

この記事の正確なクレジットがいま手元にないので,ここでは記せないが,要は,100%(満点)の完成度を求める論文一本より,80点(%)の完成度の論文を継続的に書け,という内容.(ただ,80点にもっていくのも苦労するが,)

「天才は5年に一度の論文執筆で許されるが,凡人はできるだけ書け」(永田武)で,結果的に80点の論文の蓄積が,数年後には100%(点)以上の成果となる,というコラム.

その中で,「胸突き八丁」というコトバもでてくるが,さらに凡人の私は,いつも,いつも,同じ.

しかし,80点にまでもって行くためにも,多大な労力が必要で,コトバがでてこない瞬間と,さらに言えば,私の場合,「書けなくなる恐怖心」が常にあり「怖くならないために,書き続けよう」としている.

たぶん,これは一生そうしないと,研究という行為は継続しないと,感じている.

院生時代,ある先生は「宮本.走り続けないとダメだ!」と怒られた. また,口の悪い関西出身の先輩は「論文はトイレットペーパーと同やで!」「下痢状態と同じように,出し続けないとダメなんだよ!宮本!」(トイレットペーパー理論)とご指導いただいた.

たまには,「便秘」になりたいときもあるが・・・・