師走の解体:Demolition in Okayama University of Science(2013年12月24日)

Demolition in Okayama University of Science. Dec./ 2013. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Demolition in Okayama University of Science. Dec./ 2013. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO 

冬休みになって,締め切り作業を開始し,明るく年末年始を迎えたいと思い,毎日大学に来ているが,事務は今日も

休みで,仕事の段取りがずれた.

岡山理科大学に来て,まだ2年も経たないが,今秋から大学では写真のような光景が見られるようになった.要するに,

新しい建物を建築するために,古い建物の解体が始まり,あちこちで工事車両が行き来している状態となった.

古くからおられる先生方や事務の方にとっては,それぞれが思い出のあるものらしく,解体中の写真を撮られる人びと

も多く確認される.

 

他の大学がすべてそうではないが,岡山理科大学は,「飾り気がない建物」で,消極的な意味では「象徴となる建物」がない.

もしくは,「ランドマーク」となる建物がないが,某先生によると【潔い】という表現で説明される.

 

私自身も,これまで幾つかの大学を見てきたが,一見着飾った建築物で装飾された建物は,使い勝手がよくないので,

不満がでたり,完成後問題となってきたことを見聞きしてきたので,「Function is ??」という姿勢が,理系大学らしく【潔い】とも

思う.大学に姿勢と,価値基準が象徴としての建築物に表出するということだろうか.

 

冬休みの岡山理科大学の風景は,一変するのだろう.

Demolition in Okayama University of Science. Dec./ 2013. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Demolition in Okayama University of Science. Dec./ 2013. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

 

 

 

 

 

 

 

24年ぶりの・・(2013年12月14日)

10月に修士論文・博士論文のフィールドである敦賀を訪問したときに,20年ぶりで,「青春の敦賀」と講演で笑いをとったが,今回は,24年ぶりの松山.

 

松山は,学部の一回生(一年生)の所属していた学術サークルで,7月に約一週間地域調査を行った,「思いでの地」.

仕事は,昼間に初めて岡山ー松山を電車で通過しながら,瀬戸内の景観を堪能しつつ,本の原稿を校正しも・・・.

 

さすがに,24年のギャップは記憶の彼方で,【比定】できるのは,松山城くらい.

 

年齢を重ねるごとに,「ぶりの・・・」が増えていくのだと実感している.

 

「ぶりの・・」でフィールド調査を再開するのも,よいものだと,近江で再会予定.

 

しかし,地理学は,どこでも楽しめるので,よい学問だと思う.今風に表現すれば「大人の学び」でしょう.

Past and Present "Matsuyama". Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO, Lab. of Geography , Okayama University of Science.

Past and Present “Matsuyama”. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO, Lab. of Geography , Okayama University of Science 

2014年まで「あとX日」と考えたくない心(2013年12月13日)

13日の金曜日ではなく,2014年まであと「X日」と考えたくない心境の原因は,締め切り.

 

・・・

 

調べないといけないものを探し出すために,研究室をあさっていたら,写真のような「野帳(フィールド・ノート)」を発見し,

なかをパラパラめくっていたら,年月と変化のなさを感じた.

 

小生が,一番最初に「野帳(フィールド・ノート)」なるものを使ったのは,1989年(平成元年)6月2日の,某大学地理学科の新入生歓迎巡検

なるもので,京都の洛西地域を対象としものだった.それからの年月,海外調査や巡検など,各機会ごとにさまざまなタイプのものを使いつづ

けてきたが,それぞれが「もう一人の自分」であり,捨てることができないものとなった.

 

いまでは,メモ帳として使っているので,「手元にないと落ち着かない日々」.このアナログ感が心地よい.

 

以前,某地理学教室のコラムにおいて,駄文を書き散らしたが,「Field Noote   ・・・・大学地理学科」と印字された「野帳(フィールド・ノート)」

は,未知なる場と経験からくる期待感で高揚していた20才初頭の記憶さえも,後厄になっった今も鮮明に思い出される.

 

そういう意味からも,フィールドの迫力は効果はあるが,受け取る側の感性と,知識も求められる.

 

Field Note. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO. Dr. MIYAMOTO's Geography Laboratory

Field Note. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO. Dr. MIYAMOTO’s Geography Laboratory

瀬戸内の美しさ(2013年12月9日)

これまで海沿いで生活したことがなく,「瀬戸内」の景観は,とても新鮮である.

先週末,学生さんと小豆島を短時間ながら訪問することができ,学ぶべき以上に,いろいろな研究テーマが頭をよぎった.

学生さんは,若い感性でフィールドを観察し,学んでほしいと.また,久しぶりの「学生らしい旅」で,世代間ギャップさえも...

Setouchi, view from Shodoshima Island. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Setouchi, view from Shodoshima Island. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO.Dec.2013

第20回環境史研究会(2013年12月1日開催)

以下の研究会を,開催します.ぜひ,ご参加下さい.

 

2013年10月21日

みなさまへ

      環境史研究会

                                                                              宮本 真二

  第20回 環境史研究会の開催について

このたび,標記研究会を下記の内容にて開催しますので,お気軽にご参加ください.なお準備の都合上,ご参加いただける方は,下記の連絡先まで可能な限り,E-mailでお知らせいただきますようお願いいたします.それでは,よろしくお願いいたします.

今回は,平成25年度公益財団法人八雲環境科学振興財団 環境研究助成(一般研究)「瀬戸内臨海平野に記録された災害履歴と遺跡の立地環境の解析」(研究代表者:岡山理科大学・生物地球学部・准教授 宮本真二),科研費,基盤研究C「日本中世における「水辺推移帯」の支配と生業をめぐる環境史的研究」(研究代表者:滋賀県立琵琶湖博物館・主任学芸員 橋本道範)の研究会も兼ねています.

 

1.日時:2013年12月1日(日) 13時00分 〜 17時00分

 

2.場所:相生市民会館 2F 204会議室

住所:〒678-0031 兵庫県相生市旭1丁目19番33号   Tel: (0791)-22-7156

※経路等の詳細はWebで,http://www.city.aioi.lg.jp/map/shinkaikan.html

 

3.報告者と演題:

 

橋本 道範(琵琶湖博物館:文献史学)・勅使河原 拓也(京都大学・院:文献史学)

「河成データベースの作成について」(仮)

 

田村 憲美(別府大学:文献史学)

「中世の地域社会と気候変動―東寺領上桂荘を素材として―」

4.注記

・終了後,相生駅近辺【懇親会】を行いますので,こちらもお気軽にご参加ください.

 

ご連絡先

宮本 真二(みやもと しんじ)

岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 地理学研究室

〒700-0005 岡山市北区理大町1-1

Phone & FAX: 086-256-9549 (直)

E-mail: miyamoto@big.ous.ac.jp

http://www.big.ous.ac.jp/~miyamoto/

(岡山理科大学 生物地球学部 地理学研)

https://miyamoto-s.net/(個人Web)

標本作成の意味論:琵琶湖博時代の記録(2013年11月18日)

 古いファイルを探す用事があり,古いPCを探っていると以下の様な,文章が出てきた.ラディカルな投書への返答を,決済をもらって公的に返信したもの.

 自覚的であることが必要だが,説明できる学芸員としての「力量」が求められよう.

(ここから)

「標本を作り,それを残すことの意味」

−参加型調査参加者からの意見を通じて−

 

滋賀県立琵琶湖博物館 学芸員 宮本 真二

 

1.経過と目的

琵琶湖博物館フィールドレポーター(以下,FR)の2003(平成15)年度第1回調査として「庭を訪れた蝶の調査」と題した,参加型調査を行っている.その過程において,FR参加者から,調査用紙に下記のような「意見」が提示された.

この意見は,①琵琶湖博物館の資料収集方針に関係する課題であること.そして,②琵琶湖博物館の基本方針を再確認する意味を検討するうえでも,たいせつな指摘である.

したがって,資料という博物館活動においいて,もっとも重要な対象について一定の理解を形成する必要がある.

 

 

2.参加型調査参加者からの「意見」−Aさん(60代男性)の意見−

 上記分布調査の調査用紙参考事項(ご自由に感想等ご記入下さい)欄から

 標本を作ることには反対です.1匹の成虫(蝶)に対し,その下で何匹が成虫になれずに死んでいるか?知っているでしょう?

全ての野生生物が絶滅の危機にあるなか,やっと成虫になったものを人間の都合で殺すことには絶対反対です.絶滅を速めるもの.

以前ハ虫類の講習会(貴方博物館)を受講したことがあるが,実習と称して周辺でカエルを捕まえ,殆んど標本にするため殺していました.絶滅寸前のダルマガエルも殺してしまった.研究者が平気で指示している.(皮肉にも野生生物の保護について知識を得るための講習会であったが納得できない)この件について貴方の見解を回答下さい.

 

 

3.琵琶湖博物館の姿勢

a) 研究と標本

Aさんのご意見に対して,博物館としての見解を申し上げておきます.

生き物を野外で採集し,標本にする目的は「研究」するためです.つまり,本当に生き物を調べたり,知ろうと思えば思うほど,生き物を採集し標本を作成し,それをじっくりと調べないと分かりません.

標本は昆虫の名前を詳しく調べるために必要不可欠です.昆虫の名前は,ひと目見て区別できるような種を除いて,採集し標本にし,後でじっくりと調べなければ分かりません.昆虫類は種数が非常に多いからです.今回のFRの調査「庭を訪れた蝶の調査」の目的は,いつ,どこで,どのような蝶を見たのかを報告していただき,身の回りの自然を調べていただくことです.調査票に蝶の名前調べの手助けのために,身の回りで見かけそうな蝶を数種写真で添付しています.しかし,蝶は種数も多く写真にない蝶がいた時,種を同定できないので,標本を送っていただくようお願いをしたわけです.写真でも可能だとしましたが,本当に蝶の種を同定するためには写真では非常に困難で,標本が必要です.

名前を調べるためには標本が必要ですが,それだけでなく標本は形やDNAを比較することで,その標本となった生き物の進化の歴史の解明などの研究に利用することができます.博物館は,研究にとって必要不可欠な標本を,収集し何十年も何百年も保管し,研究や展示などに利用しています.

 

b) 自然環境の記録としての標本

標本はいつ,何が,どこにいたのかの重要な証拠となります.標本はそれ自体に,付随するデータが添付されています.そのデータによって,その生き物がいつどこにいたのかが分かります.標本はいつ,何が,どこにいたのかを残し,それを後でまた確認することのできる証拠なのです.そして,標本に基づいた根拠のある調査が,科学的にも意味のある調査になるのです.

標本を作り,残していくことは,自然環境を記録していくという大きな意味を持っています.人はこれまでに多くの生き物の生息環境を改変し,その結果として,数多くの生き物を絶滅に追いやってきました.このような人による自然環境の改変は,知らないうちに身近な場所で起こっています.人のさまざまな活動の結果からもたらされた改変は,「破壊」とまでに表されるまでになっています.しかしもし,どういう生き物が,どのような自然環境に,そしていつの時代にいたのかといった記録が残っていれば,その情報が,自然環境を保全するための材料となりえます.標本は環境保全のための重要な証拠となるのです.1つの標本が残っていることによって,その生き物が生息している環境を残すことができ,その環境に生息している何千匹という生き物の命を守ることができる可能性もあるのです.

今年の2月,大阪府高槻市の????さんが蝶類標本36,196点を琵琶湖博物館に寄贈されました.この標本の中には,現在,琵琶湖のまわりで少なくなった蝶の標本が含まれています.村山さんは「昔のチョウと比較するなどして,琵琶湖周辺の自然の変化の研究に役立ってもらえれば」と言われて寄贈いただきました.??さんのように長年蝶を研究してきた方だからこそ,その標本を残すことで,琵琶湖のまわりに生息する蝶の環境が将来残って欲しいという想いも強いのだと思います.

つまり博物館のような機関でも,あるいは個人の場合でも,標本を作り残すことは,絶滅の危機にある生き物や身近な生き物が,どこにいたのかを示す証拠を残すことです.そしてこのことが,それら生き物の生息環境を保全していくことにつながることをご理解いただきたいと思っています.

 

c) 標本を作ることと生き物の絶滅

私たちは生き物を採集し,標本にすることが,絶滅を速めることにはならないと考えています.昆虫はこの地球で最も繁栄していると言われているように,ものすごい繁殖力を持っています.庭に飛んでくる蝶の何匹かを標本にしたぐらいでは,その蝶の絶滅を速めることはないでしょう.昆虫はそんなに弱い生き物ではありません.むしろ,昆虫の絶滅を速める要因は,多くの場合その生き物の生息環境がなくなることであることをご理解いただきたいと思います.

もちろん人間が採集することによって減少する希少な生き物がいることは事実です.そのような生き物について採集し,標本にすることは,十分に注意を払わなければなりません.研究調査が目的の採集だとしても,その目的のために何個体が必要なのか,そして採集によってその個体群はどうなるのかを十分意識して標本にする必要があります.つまり,むやみやたらに採集するのではなく,目的にあわせた節度ある(必要なものだけ)採集を心がける必要があります.また博物館としては,希少種保護のために希少種の生息場所が外部に漏れないように十分注意しなければなりません.

研究者は研究のためとは言え,生き物を殺し標本にします.これは人の都合でやっていることです.そのため,何のために標本にするのか,そして少なくとも生き物を殺しているという自覚は持ち続け,生き物を殺すという行為に麻痺しないよう,常に自らの行為を振り返ることを忘れずにいたいと思っています.私たち人間は「害虫」として,ゴキブリホイホイをしかけたり,農薬をまくなどして,多くの昆虫を人の都合で殺しています.しかし,このことは,問題にされることはないようです.

 

d) は虫類講習会について

ご指摘されている爬虫類講習会について調べました.土木交通部監理課が主催の平成XX年度生物環境アドバイザー研修動物コースを指しているものと思われます.この研修の目的と講義内容は,「滋賀県生物環境アドバイザー(動物担当)」を養成するため,地域の生物環境を構成している両生・爬虫類および魚類の分類や生態,滋賀県における分布などの概論と調査法,種の重要度と評価法を学ぶことです.1日目の両生・爬虫類の研修は,平成XX年8月10日にあり,会場は博物館の会議室および津田江湾周辺の田園地帯で行われました.内容は,両生爬虫類の調査法,識別実習,野外実習,標本作製法です.講師は>>>>>>>>>>>,助手が>>>>>>>,??????>???さん(日本爬虫類両生類学会会員)でした.この研修について,講師の松井さんにお聞きしたところ,ダルマガエルを標本にしたのは,①何がどこにいるのかの証拠を標本として残すことの重要性を学んでいただく意味.そして,②標本作製法の中でDNA分析用にアルコールに保存する方法を学んでいただくためだと話しておられました.またやみくもに標本にしたわけではなく,標本にした残りのものは生きたまま放したと言われておられますので,私たちはこの件に関しては何ら問題があるとは考えておりません.もし,XXさんは,意見があるようでしたら直接お願いします,とおっしゃられていますので,どうしても私どもの意見に納得されないようでしたら,直接XXさんにご意見されてはいかがでしょうか.

標本を収集し,いつも使えるようにしておくことで, 名前が分かり,そのことで深く自然に親しむことができる人を育てることができます.そのような人の育成が,強いては「自然環境の保全」にとって,もっともたいせつな行動ではないでしょうか.このような目的や意味も,この講習会にはあったのではないでしょうか.

 

4.説明すること

これまでの琵琶湖博物館は,いわゆる「交流」を重視し,さまざまな博物館活動を行ってきました.しかし,上記いたしましたような「説明」が十分であったとはいえません.

今回いただきました意見は,ありがたくうけたまわり,博物館が「地域だれでも・どこでも博物館」を目指していくために,今後,博物館が標本を採集し,残すことについて,十分に説明し,誤解を招かないように注意していきたいと考えております.

今後とも,よろしくお願い申し上げます.

 

関西と博物館(2013年11月9日)

しないといけないことは多々あるが,受験勉強のように...

関西文化圏には,毎月のように来ているが,「関西弁」は,やはり【違和感なし】.

でも,人が多い.

 

学会の合間に,関西では伝統的に名をはせている自然史博物館を10年ぶりに訪れたが,博物館の業界を離れたからこそ感じ入る閉塞感を思い出した.

琵琶湖博物館について話した先月の広島の会話を思い出した.

人文地理学会@大阪で学会発表(2013年11月8日)

今年度6回目の発表が,週末にあり,準備しないといけません.

自己の立場性の確認でもあります.

 

宮本真二(岡山理科大学)「日本の「環境考古学」の成立と地理学―歴史地理学(地形環境研究),環境史,ジオ・アーケオロジーとの関係性」.

2013年度人文地理学会大会.大阪市立大学,11月10日.