神戸と琵琶湖博物館・ナマズと,アフリカと(2013年7月8日)

七夕は,「文部科学省科学研究費補助金,基盤研究B(海外)「東アフリカにおける「早すぎる高齢化」とケアの多様性をめぐる学際的研究」(研究代表者:長崎大学環境科学部・准教授:増田 研),(研究分担者)」の第1回打ち合わせで,甲南女子大学に出張した.

 

甲南女子大学は,前職の2001年度,滋賀県立琵琶湖博物館企画展示「鯰(なまず)ー魚がむすぶ琵琶湖と田んぼ−」の調査で,1999年頃から本草書の調査で通って,写真撮影等をした思い出の地.その思い出は,「The 女子大」というカルチャーショックの記憶もさることながら,Kobe・神戸という地も鮮明な思い出も印象深いもので,約10年ぶりの甲南女子大学の訪問だった.

この企画展示の成果は,私にとっては大きく,編著二冊,論文二本,学会発表5本程度と,30代初等の異分野つながりを構築しようとした段階では,とても印象深い仕事だったし,琵琶湖博物館自体も若い博物館で,組織として勢いがあったことは,部外者で共有できる部分がある.

このプロジェクトで切磋琢磨した前畑政善さん(魚類生態学)も,牧野厚史さん(環境社会学)も,博物館を離れ,新天地の大学でご活躍(神戸学院大学と熊本大学)されており,私もがんばらないといけない,と感じ入った機会でもあった.

研究会は,代表者の増田研さんにとっても,私にとっても新鮮なもので,「自分の役割」について考える機会となった.これまで参加させていただいた異分野のプロジェクトでの経験を活かして,私自身が新鮮で楽しめる機会にしたいと思いながら,帰路についた.

増田さんつながりでいうと,共通項はいまわなき「東京都立大学」出身と言うことだけだが,研究科も違う(人文と理学部)が,タマタマな接点がめぐり巡ってという,関係.

そういった意味において,他もメンバーの方も同様で,「たまたま」つながりですが,普段の専門性(否定的な意味においては,ギルド社会)のなかでは,うまれてこないグループだとも感じ入った.

 

【写真】梅雨のおわりを感じさせるような快晴の神戸を眼下に.(実は,汗だくになって大学にたどり着いた).

"KOBE" from Kounan Woman's University. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO July, 2013.

“KOBE” from Kounan Woman’s University. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO July, 2013.

環境考古学の「周辺」(2013年6月15日)

研究者を志すようになって,遺跡の現場に頻繁に通うようになったのは大学の二回生になった頃だった.その時の遺跡現場の発掘担当者は,地理学プロパーの方で,考古学の現場で地理らしい研究を展開する意味をよくご教示いただいた.

その頃,盛んに出てきた言葉は,「マージナル=marginal=周辺や境界」という言説.

当時の考古学(日本)において「環境」を対象化することは,「環境決定論」の一言で,怪訝な顔をされたり,感情論的な批判(感情なので批判に相当しない)にさらされたりもした.

 

それから,約10年経過した.

 

考古学(日本という限定付き)が主催する,研究課題,主題などにおいて,環境と関するものがいかに多いことか!(正直,変わり身の早さに唖然する場面の多い)

環境考古学が,地理学の研究史の中で位置づけることが,正確な記述であることは論を待たない(宮本,2013).考古学(あくまで日本)にとって,地理学は「周辺」であったが,周辺から登壇した領域(環境考古学;安田(1980))の魅力を開拓し続けたい.

 

文献

安田喜憲(1980)『環境考古学事始:日本列島2万年』,NHKブックス,270p.

宮本真二(2013)地理学と環境考古学.動物考古学,30,435-442.

「場末」好き?!と地理学的「景観」(2013年5月23日)

地理「屋」として,旅することは,いちばん楽しいひとときで,賢く表現すると「景観」変遷を観察できる.

先の職場のあった滋賀県の湖西地域も通過し,懐かしさと,研究テーマを模索していた.

 

今回の学会で出張させていただいた砺波は,今更強調するべくもなく,散居村で著名で,地理学的な研究史

も厚い.

 

期待し,勉強になった日々だった.

(ホントは,講義で代表的な事例として取り上げるが,訪問機会がなかった.)

 

写真は,私の感性に合致する景観.

 

「味」がでています.(科学的な説明ではないですが・・・).

 

 

砺波駅前の・・

砺波駅前の・・

過去17年間で9回発表の歴史地理学会(2013年5月19日)

1996年徳島(山城),1998年東京(近江),1999年京都(山城),2000年島原(近江),2002和歌山(動物遺体),2007年東京(ヒマラヤ),2010年高崎(ヒマラヤ),2012年新潟(ベンガル),2013年砺波(近江).

でオーラル発表.( )は対象地域かネタ.

 

歴史地理学会という小さな学会に初めて参加したのは,1993年の愛知大学で,東京での大学院生一年目だった.

学生時代,お金に困窮していたので,東海道線を乗り継ぎながら,友人の家に泊めてもらうことを約束して参加した.ちょうど,Jリーグ(サッカー)の開幕戦が行われていて,世は熱狂していたが,私は院生時代の迷い

のさなかで,長時間の道中は,夏のアフリカ調査準備のためフランス語のテキストとテープレコーダーを聴きながら,悶々として参加した.

 

学部時代の先生の発表を聞くためだったが,「宮本!.発表をしないで参加したら,ちゃんと質問しないといけない」(→懇親で学会に参加するのではなく,研究発表しろ!と).「泥臭いテーマなので,決して流行るテーマではないが,この学会でもちゃんと発表するように」と,美しくない大学キャンパスで,芝生に座りながら指摘された.(その後,豊橋駅前で立てないくらい,お酒をごちそういただいたが,覚えていない).

 

ただ,この学会の大会は,地方で開催されるため,学生時代は旅費をどうしても捻出することができず,一度も発表できなかった.その代わり,毎年春の大会で開催される日本地理学会は,連続して発表していた.

 

このような,経緯があった訳ではないが,職を得てからは,地方で開催されるこの大会は,地理屋として楽しみな大会となり,冒頭のように,過去17年で,9回の発表.(イチロー以上の打率!)

 

今日,発表を終えて,帰りながら,「私が一番の発表回数じゃないの?!」(内容は別として)と感じ入って,普段振り返ることのない過去をこのWebで調べた.一時期,他学会での発表に集中していた時期もあるが,いろいろな想い出が発表をしたからこそ,鮮明に思い出せる.また,自己の到達点も考えさせられた.

 

まだまだ,振り返るような年齢でもないが,若いときの志を省察する瞬間をもつことも,たまには大事だと痛感できたことも,今回の収穫だった.

また,17年もたつと,全く発表しなくなった人もいて,「変遷」を感じ入る.

Wedでの業績リンクの追加(2013年5月17日)

ここ数年,学会で発表したリストで,Webでプログラムなどの痕跡がトレースできるものを業績にリンクした.

 

いつも思うが,こういう作業は「きりがない」が,機会あるときに,充実させ,公表したいとおもうので,Webを開設した

過去10年間以上は継続して行っている.

 

隠すものもないし,プロセスさえも開くことは,職業研究者としての義務だと,心している.

 

また,この行為は次への展開につながる場・チャンスをつくることも実感している.

業績追加・研究発表(2013年5月17日)

岡山から日本海側の下記の地域へ移動するには,極めて時間的に制約される場合が多い.

以前の職場での仕事をまとめたもので,今後も継続させる.

こういった「泥臭く」「時間と手間がかかる」テーマこそ,地理では必要な仕事だと思いたい.

 

宮本真二(2013)「近江における平野の地形環境の変遷と土地開発」,第56回歴史地理学会大会,砺波文化会館,5月18-19日. 

 

学会発表は100件を超えた.また,来月も発表がある.

新年度に向けて(2013年3月29日)

・一年経ってみて,いまだ岡山生活慣れない日々ですが,バングラデシュから帰国後数日で,当地はいっそう春めいた陽気.

・したがって,大学構内の桜も,もうしばらくで満開の予感(Focus to Photo 1).

・一年前は,桜を眺めることなどない余裕なき日々でしたが,すこし大学の中と,大学周りは詳しくなり,状況が読み込めるようになった.(自宅↔大学の往復のみ!?)

・三年経たないと慣れない,ということも経験・実感として分かりますが,まだまだ岡山が新鮮な状態で,その感性でフィールドを開拓する二年目としたいと思います.

・新学部も「新鮮さ」が多々ある毎日ですが,4月からも着任される先生もおられ,より生物地球学部は,進化しつつあります.

・ようやく,落ち着き始めたのは研究室(一年前との比較が記録として,おもしろい.段ボールが ・・・.Compere with Photo 2 and 3)で,床置きの書籍はなくなった日々で,本を探す行為が格段に時短.

・また,同時に使わない資料も同時に処分しましたので,どこに何がある状態であることは極めて快適です.

・まだ,実験室の方は落ち着いていません......

 

 

・・・・・・このような新鮮な気持ちで,二期目の岡山理科大学 生物地球学部の新入生を迎えようとしています.

 

Okayama Univ. of Sci. / Mar. /2013. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Photo 1  Okayama Univ. of Sci. / Mar. /2013.                                      Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Apr. /Miyamoto Labo. /2012.                                             Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Photo 2  Miyamoto Labo. /Apr. /2012.                                Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Mar. /Miyamoto Labo. /2013. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Photo 3 Miyamoto Labo. / Mar. /2013.                                             Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

 

 

境界領域の続き:Marginal Science(2012年6月23・24日)

備前より、さらに西の中国地方で開催されているフィールドサイエンスの学会に参加し、異分野でも話せる研究者との談笑では、共通した問題を実感した。

 

方法論的な部分と、研究史を踏まえた「脱領域的な部分」については、夏締めの論文でものにしたいと思っている。

しかし、感じ入ったのは、フィールドサイエンスが内包する共通する「悩み」というものだが、それはフィールドを抜いても同じかもしれない。

 

・領域として確立されてきたが、技術的な方法論の進展による表層の第津領域。

・問い(仮説)の交差。

・問い(仮説)の中心軸の揺らぎ。

 

しかしそれは、フィールドに向かい合っている研究者だと、時間が解決してくれる「移行期的」な正確のものでもあるとも実感。

 

 

旅先でも、仕事はできるが。そういう日々が今後も続く!(右写真)

 

続いてほしくはないが、まあ、「しゃあない、なあ」、と。。。

 

このように、日常とはずれた空間を本能的に好む性格なのだろうと・・