平地での研究発表・業績追加(2013年4月20日)

「考古学」の場で,発表します.

 

宮本真二(岡山理科大)※・内田晴夫(農研機構・近中四農研・四国研究センター)・安藤和雄(京都大・東南アジア研)・ムハマッド セリム(バングラデシュ:バングラデシュ農業大)・アバニィ クマール バガバティ(インド:ゴウハティ大)・ニッタノンダ デカ(インド:ナガオン女子大)「ベンガル・デルタにおける地形環境の変遷と民族移動に伴う土地開発史の関係性の検討」考古学研究会第59回総会(ポスター),2013年4月20-21日.岡山大学.

本研究では、低湿地における土地開発史を検討するため、世界有数の低湿地であるベンガル・デルタを対象に,地形環境の変遷と民族移動に伴う土地開発史の関係性について検討した.現段階での結論は下記の通り。

ジャムナ川中流域では、①約12-11千年前に形成された洪水氾濫堆積物(自然堤防状の微高地)を利用するかたちで、それ以降に生産域と居住域の開発が行われた。その後,②幾度かの洪水に見舞われながらも、盛土の主体部の維持管理は現金収入を生む土木作業によって、恒常的に実施されてきた。さらに、少なくとも、③約1.3千年前までには当該地域において、生産域としての水田開発と連動する形で、近隣地域に屋敷地が形成されたものと推定した。また、④この堆積物に記録された土地開発時期が、周辺地域におけるベンガル・デルタのイスラム化との関係可能性について指摘した。