Japanese Archaeology and Physical Science : (2015年8月27日)研究集会 「自然科学からの考古学へのアプローチ-文理融合の先導的研究の発展に向けて-」

プログラム (案)

プログラム(上)をいただしました.以下の研究集会にご招待いただきました.

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研究集会
「自然科学からの考古学へのアプローチ -文理融合の先導的研究の発展に向け
て-」

日時:平成27年9月8日(火)13:00-18:30(予定)
           9日(水)9:30-12:30(予定)

場所:九州大学西新プラザ(福岡市早良区)

趣旨およびプログラム概要:
遺跡や遺物等の考古資料の調査・分析に、物理学・化学・生物学・地球科学の様々な手法を用いた

最先端の研究を俯瞰し、今後さらに自然科学が考古学に寄与できる分野は何かを見定めるとともに、

文理融合研究の重要性・必要性を確認する。また9日午前には、特に考古地磁気学の手法に焦点を当て

たセッションを、設け、最新の研究成果の発表と、今後の研究展開について議論する。
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科学の健全な発展:This work was supported by JSPS KAKENHI(2015年8月23日)

先の事件の影響ではないが,標題の様なこと言説に遭遇する機会が多く,職業研究者として再教育の機会が増えて来た.しかし,よりシンプルに思考して,「風通しをよくする」ことによって予防できると考える.世間からは大学や研究機関の閉鎖性が,指摘され,「民間を見習え」みたいな短絡的な議論があるが,企業でもコンプライアンスに意識に欠けた実態は次第に暴露されつつある.

「風通しをよくする」とは,そう難しいことではないだろう.研究者の評価基準のひとつは,やはり論文である.論文を書くためには,そのために勉強して,データをとって,口頭などでも発表するといった日常がとても大切である.そのような結果を,公開しつづけること,である.

曖昧な記憶をたどると,大学が法人化するときにも,大きな反対があったが,それは個人の業績を公開することの行為さえも「学問の自由を脅かす」といった,言説がおどった.80年代に自己形成した小生の世代にとっては,信じられない発言だが,大学はそういう人もいたのである.

もっとシンプルに「風通しをよくすること」=公開であれば,webは大事なツールである.世間からみて,研究機関内の研究者の業績が見えにくい組織は,「風通しをよくない」と評価されても過言ではないだろう.小生にとっては,競争的外部資金を獲得することは,海外の地域調査をおこなっている立場からは,死活問題である.そのために,獲得できるようになって,それ相当の公開にたいする行為を行ってきた自負があるし,そのための資金も獲得してきた.

そういった意味において,研究者自身の再教育が求められるのは,自己に公開のための技術がなければ,資金を使ってでも公開する義務感だと感じている.これが,結果として「科学の健全な発展」につながるのである.具体的には,現在印刷中の小生の拙論の謝辞は以下の記載がある.

 

・・そんなことを,再教育の機会があり,つらつらと考えた...

 

 

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[付記]

なお本研究には,科研費・基盤C「アジア・モンスーン地域における土地開発の歴史的変容とその要因解明」(研究代表者:宮本真二),同・基盤研究C「日本中世における「水辺推移帯」の支配と生業をめぐる環境史的研究」(研究代表者:橋本道範),八雲環境科学振興財団・環境研究助成「瀬戸内臨海平野に記録された災害履歴と遺跡の立地環境の解析」,(研究代表者:宮本真二),文科学省・私立大学戦略的基盤形成支援事業・研究拠点を形成する研究「鉱物の物理化学特性から読み取る地球,惑星の環境変遷史」,(研究代表者:豊田 新),岡山理科大学の研究費の一部を使用した。

 

 

 

 

 

Acknowledgment

This work was supported by JSPS(Japan Society for the Promotion of Science),  KAKENHI.

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Curator, Research Scientsit or Professor?:博物館学芸員と大学教員(2015年8月22日)

*更新時告知時にアクセス数が多く,いつも聞かれるので...誤植更新に..

 

 ※学生さん,もしくは,これから博物館学芸員(美術館は領域外)を目指す方は,経験に裏づけされた「事実」ですので,レトリック上や認識のうえでの反論は受けつけますが,以下は,事実ですので,ご参考にしてください.

 

1.どうしたら博物館の学芸員になれますか?

・琵琶湖博物館勤務時代は,「どうしたら学芸員になれるのですか?」,という問いであったが,以下のように返答していた.

→「論文を書いて,研究業績を蓄積すること」に尽きる.

→研究職でない博物館はこのような返答ではないと思うが,研究することが認知されている博物館では【真実】である.

→この力は,どの職種でも活かせる.

→琵琶湖博物館は,学芸員=Curatorではなく,Research Scientistとしたことに,志がある.その意味は深い.

→私自身積極的に学芸員を目指したのではなく,研究活動を行った結果としての職業選択であった.

→しかし,考古少年で,学芸員という職種の存在は,小学校から知っていた.

 

2.どうして博物館から大学に移ったのですか?

・研究者として職場を移ることは,プロの世界の常識.

→このように学生時代から思っていたし,恩師,先輩,後輩の「生き方」もそうであった.

→博物館から移動しないという選択肢はなかった.研究の進展具合や,業績の蓄積具合によって職場を移すことは本人のみならず,元の職場にも寄与できる.

・移れない人には,それなり理由がある.

→私の経験をもとにした事実なので,誤解も何もないが,サッカーや野球という,プロの世界と同じ.

→日本のワーク・スタイルの変化という環境変化ももちろんある.

・多様な条件で,恵まれていること.

→少なくとも先の職場では,大学から博物館へと職場を移した人はいない,という事実がこれを端的に表現しているだろう.

→私が15年間在籍した間に大学に移籍した学芸員は約10人なので,日本に博物館としては異例の研究を重視した博物館であったことが理解できよう.

・博物館であろうが,大学であろうが,研究の「らしさ」(様相)の違いはあるが,研究することは職種・職場を変えても同じである.

→したがって,研究を博物館で思考する場合は,その職員の業績評価がより積極的になされることが,経験として今の博物館に強く求められ,それは専門性を高める行為でもある.

→このことは,大学という職業研究者集団の組織でも同じである.

 

3.今後,学芸員(博物館)を目指す人へ

・研究力

→研究条件が博物館が悪いとか,労働条件云々の議論は,研究ができること(業績の蓄積)の上に成立する議論であり,継続的な研究論文が蓄積できる能力が前提である.

→研究は「超個人的行為」(by 川那部浩哉(元 琵琶湖博物館・館長;琵琶湖博物館 名誉学芸員)であるが,他の多種多様な仕事と同じである.

→「超個人的行為」であることは,職業研究者としての精神的な自立が必要である.

・流動的であること

→研究はエキサイティングな世界で,「個人」の評価が問われる世界である.その個人の評価を組織として構築する必要がある.公的機関にありがちな,方便がまかり通っている場面が多いように?というのは,言い過ぎではない.

→このような,公務員としての学芸員というスタイルは,今後大きく変化することが容易に想像され,より専門性と結果が問われる時代になる.

・趣味と博物館

→博物館は研究が必要である.

→研究は趣味ではない.仕事である.仕事である以上結果が求められることは,他の仕事と同じである.大学も同じ.

・学芸員の仕事

→上記した研究以外の仕事は「雑芸員」と称されるように多様だと反論されるが,両者を経験した私にとって,大学も多様であり,今の私には方便にしか聞こえない.プロである世界の緊張感がよい成果をい生むことは,職業研究者という業種に限定的な議論ではないだろう.

 

4.そのほか

上記に関わるこれまでの議論は,

宮本真二(1997)博物館における自然地理学の役割.立命館地理学,9,77-81.

宮本真二(2010)博物館と地理学.地理55(10),12−19.

宮本真二(2011)インタビュー博物館の地理学者10 滋賀県立琵琶湖博物館 宮本真二さん.地理,56(9),古今書院:90-91.

にもある.

アクセス解析:Access Analysis(2015年8月28日)

アクセス解析は可能です.・・・し,たまにしています.(楽しんでもいます)

 

・・編著本を出したことや,職業柄の発言で,Webのアクセス動向は変動しますが,上記は可能ですので,閲覧者の方は,ご留意ください.

 

 

*本日は, Facebookではアップしていますが,人形峠環境技術センター.独立行政法人日本原子力研究開発機構(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)で研修させて頂きましたので,アクセスはアップしているもの!!?

・・・と解釈できます.

https://www.jaea.go.jp/04/zningyo/

 

・・・予防線でもありますが,発言には責任を持っています.大学人として.