New Book Effect!?: 新刊効果?!(2014年4月4日)

表題の影響か!?,アクセス数が増大.

(近日中に,アクセス「解析」します).

 

「環境史」研究の地理学からの現在的到達点を表示する意味(書き手も含めて)でも,類例がない一冊だろう.

逆説的に表現すれば「地理学らしくない一冊」に仕上がったとも自負できる.

⇒「地理学=フィールド・サイエンス」,「地理学=自然と人間との関係性のサイエンス」,「フィールドでは,自然も,人文も,社会といった区分が意味がない」

・・・という立場性は,やはり平たくいうと「現場主義」で,「見てきたり,聞いてきたこと」が地理学の良さでもあると感じている.

 

「感じる」だけでは研究者失格なので,成果を残すことが,結果として,「地理学=自然と人間との関係性のサイエンス」という躍動感あふれる地理学に展開すること,するように努めようと思っている.

 

これをもとに,育ててゆかないといけないタネはたくさんある,ことを実感している.

新刊本: New Book: 海青社「自然と人間の環境史」(2014年4月1日)

編著本(宮本・野中(編著)海青社刊「自然と人間の環境史」が刊行された,といってもエイプリル・フールではない(写真と下記にコンテンツ).

博物館時代に2冊(ナマズ1ナマズ2)刊行しているので,生涯で3回目だが,うれしい以上に,正直,「しんどかった」.

というのが正直なの感想である.

しかし,年度末に,恩師に一冊謹呈できたことは,喜びでもあった.

 

もう,年末から,ゲラ刷りを何度読んだことか・・・・と..また,原稿の催促などなど,眠れない日々も!???.

 

この一冊をものにする過程で,フィールド・ワーカーである野中健一さん@立教大学や海青社さんとの仕事は,実に学びも大きい仕事だった.

執筆陣も,現在進行形でフィールド・ワーカーであることで選定したので,内容に関しては,日本の地理学における環境研究において,類例ないほど特異なものと,編者として自負できる.

 

「しんどかった」が,あとは手を離れたので,一冊でも世に出すための努力を始めているところである.

 

⇒つまり「ほんま,よい本なんで,買ってください!」

 

つでに,業績も追記した.

 

(ここから)

■ネイチャー・アンド・ソサエティ研究 第1巻

宮本真二・野中健一(編著)『自然と人間の環境史』

定価4,104(本体3,800)円

A5判/396頁

ISBN978-4-86099-271-2(4-86099-271-7)/C3336

発売日:2014年4月10日

書棚:地理、ネイチャー・アンド・ソサエティ研究

内容紹介

人はどこに住まうか。砂漠、高山、低地、地すべり地帯など土地への適応、自然の改変へ の適応、災害への対処について、「人間の環境としての自然」に向き合う、フィールド科 学としての地理学の視点から考える。第4回配本

 

主要目次

はじめに

序章 人はいかにして住まうか? 人間からとらえる自然 ― 関係性の地理学の再構築から環境史へ(宮本真二・野中健一)

0.1 はじめに:人類史の舞台としての自然に向き合う

0.2 環境史研究への展開

0.3 環境史への地理学的分析枠の再構築

0.4 土地と人の「生き生きとした」姿の解明へ

 

第I部 環境史と居住史

第1章 グレート・ジャーニーの行方:低地居住の過去・現在・未来(小野映介)

1.1 はじめに

1.2 沖積低地の地形発達史

1.3 人々は沖積低地をどのように利用してきたのか

1.4 「自然災害」の多発地帯としての沖積低地

1.5 グレート・ジャーニーの行方

第2章 低地への適応:洪水を「利用」するベンガル・デルタ(宮本真二)

2.1 はじめに:なぜヒトは、低地を選ぶのか?

2.2 対象地域の概観:ベンガル・デルタ

2.3 研究の方法

2.4 結  果

2.5 考  察

2.6 おわりに:洪水を「利用」した低地の土地開発史

第3章 「気」を逃さない理想の小盆地:朝鮮半島を中心とした形勢派風水の場所選びと環境改善(渋谷鎮明)

3.1 はじめに

3.2 東アジアに広まった形勢派風水の論理

3.3 形勢派風水で選ばれる「吉地」:気を逃さない理想の小盆地

3.4 なおす風水:樹林地や築山で環境はなおる?

3.5 まとめ

第4章 砂漠に住まう:カラハリ狩猟採集民の居住地選択と決定(野中健一)

4.1 はじめに

4.2 対象地域の概要

4.3 カデ地域にみられるキャンプの分布

4.4 キャンプをどう設けるか

4.5 自然と社会に暮らす

第5章 移動のタイプとその変化:ネパールの移牧から(渡辺和之)

5.1 はじめに:山岳地域における移牧とそのタイプ

5.2 ルムジャタール村と村の羊飼い

5.3 放牧キャンプ

5.4 夏の放牧地

5.5 冬の放牧地

5.6 長距離移動と短距離移動

5.7 変動する放牧地の利用者(1996~1998年)

5.8 羊飼いの変化(2006年と2011年)

5.9 夏の放牧地における利用者変化

5.10 冬の放牧地における利用者の変化

5.11 移牧のタイプの変化とその要因

 

第II部 人為的改変

第6章 古環境変動と人類の対応(藤木利之)

6.1 人類の誕生

6.2 衣類の出現

6.3 ヤンガー・ドリアス期と麦作農耕の出現

6.4 まとめと今後の課題

第7章 愛知川の氾濫と安土城築城期の大中の湖(古関大樹)

7.1 はじめに

7.2 砂州の発達

7.3 愛知川主流路移動の要因

7.4 安土築城期の大中の湖の湖沼環境

第8章 動き続ける大地の利用と対峙(目代邦康)

8.1 はじめに

8.2 斜面変動がつくる日本の地形

8.3 斜面変動をどう利用するか

8.4 斜面変動はどう意味付けされてきたか

8.5 おわりに

第9章 焼畑による山地植生の利用と開発:17~18世紀の紀伊山地を例として(米家泰作)

9.1 はじめに:焼畑という植生遷移のかたち

9.2 紀伊山地の開発と焼畑

9.3 植生の遷移と開発

9.4 森を拓き、管理する

9.5 おわりに

第10章 世界自然遺産「小笠原諸島」における植生破壊と再生の環境史(吉田圭一郎)

10.1 はじめに

10.2 小笠原諸島における森林破壊の歴史

10.3 有用材の択伐による植生変化

10.4 外来生物による在来植生への影響

10.5 大洋島における自然環境の保全に向けて

 

第III部 天変地異と対処

第11章 近代における農地の水害復旧:京都市周辺を例に(赤石直美)

11.1 はじめに

11.2 研究方法

11.3 1935(昭和10)年の京都市大水害

11.4 近代における水害への対応

11.5 水害と土地所有形態

11.6 おわりに

第12章 災害と認識:天明浅間山噴火災害絵図の事例から(大浦瑞代)

12.1 災害と人との関わり

12.2 天明浅間山噴火災害

12.3 多様な災害認識

第13章 インド・アッサム州、稲作体系と気候変動(浅田晴久)

13.1 はじめに

13.2 アッサム州の気候と稲作

13.3 不安定な降雨と稲作

13.4 気候変動と稲作体系の変容

13.5 気候変動と伝統技術

13.6 地域からみる気候

第14章 フィリピンの気象と災害(森島 済)

14.1 フィリピンの自然災害

14.2 降水量の分布と地域性

14.3 近年における極端な降水の特徴

14.4 熱帯低気圧の動向

14.5 熱帯低気圧に対する現地での対応と近年の災害

14.6 まとめ

 

第IV部 地理学と環境研究の今後

第15章 ゆらぐ地球環境の中のサヘル:気候と社会の変動、緑の回復をめぐって(門村 浩)

15.1 はじめに

15.2 サヘルとは? 多様に定義されるエコトーン

15.3 最近の降水変動と大雨洪水・干ばつイベント

15.4 2012年サヘル危機:気候変動と社会的動乱の相乗インパクト

15.5 緑の回復とサハラ:サヘル大緑壁イニシアティブ

15.6 おわりに

第16章 自然地理学と人文地理学をつなぐ環境史研究の課題と展望(小泉武栄)

16.1 はじめに

16.2 環境決定論との出合い

16.3 『文明の生態史観』

16.4 鈴木秀夫と安田喜憲

16.5 講座「文明と環境」

16.6 環境論の展開

16.7 地球環境時代の環境史研究

16.8 環境史研究において地理学者が果たすべき役割

16.9 おわりに

 

索引・用語解説

執筆者紹介

 

*は編者

赤石(河角)直美 立命館大学 非常勤講師

浅田 晴久 奈良女子大学 専任講師

大浦 瑞代 元 お茶の水女子大学大学院研究院 研究員

小野 映介 新潟大学教育学部 准教授

門村  浩 東京都立大学名誉教授

小泉 武栄 東京学芸大学教育学部 特任教授

古関 大樹 京都女子大学・立命館大学・同志社大学 非常勤講師

米家 泰作 京都大学文学研究科 准教授

渋谷 鎮明 中部大学国際関係学部 教授

藤木 利之 福岡大学国際火山噴火史情報研究所 PD研究員

野中 健一* 立教大学文学部史学科 教授

宮本 真二* 岡山理科大学生物地球学部 准教授

目代 邦康 (公財)自然保護助成基金 主任研究員

森島  済 日本大学文理学部 教授

吉田圭一郎 横浜国立大学教育人間科学部 准教授

渡辺 和之 立命館大学 非常勤講師

EH

I love reading:私の活字中毒と、3000円の壁と(2014年2月16日)

「岡山理科大学 図書館報 No. 69」2014年4月1日 発行(予定) を 改変

「私の活字中毒と、3000円の壁と」

岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 地理学研究室
准教授 宮本 真二

   私は重度の「活字中毒」です。つまり、いつも手の届く範囲に活字がないと落ち着かない人間です。
 朝目覚めたら新聞。電車やバスの時は文庫本。昼食時には研究室で新聞が。夕食時にも新聞が、さらに枕元には「本の山」があります。また、フィールド・ワークで海外に出るときも、限られた容量の中、いつも選書に悩みます(写真)。
 しかし、この中毒は小さな時からではなく、高校生まではほとんど本に接することはない人生でした。そのきっかけとなったのは、高校生の時にであった一冊でした。その一冊を紹介してもいいのですが、本とのであいのトライ・アンド・エラーも本の魅力だと思いますので,私の中毒罹患以後の経過をお話します.
 大学生になった私は,大学に寄りつかない学生でした。本学のように「理系大学ではありえない」とお叱りでしょうが、当時の文学部でしたので、アルバイト以外の日々は、下宿や図書館で活字におぼれた日々でした。
 そのような活字におぼれていた大学生の時、あるきっかけで研究する人生を志すようになりましたが、当時の壁は3000円でした。学問の深さに触れることによって、より深く知りたいと思うようになるのが普通だとおもいます。しかし、図書館の蔵書は自分で線を引きながら読み込むことはできません。どうしても高価な3000円以上の専門書は、貧乏学生だった私の生活費を圧迫するため,勇気が必要でした。当時の講義風景は、私の記憶にはありませんが、書店でずいぶん悩みながら,3000円以上の専門書を購入した時の情景は今も鮮明です。
 ただし、「3000円の壁」を越えると、次の世界にであうことができます。
 このように模範とならない学生時代をおくった私ですが、活字中毒となって後悔したことは一度もない、ということこそが本の魅力だとおもいます。
 教壇になぜか立つ生き方を選択した今、「3000円の壁」を突破できるような魅力ある講義・実習が行えているかどうか自問自答の日々です.

 

 

Research Records: 業績追加(2014年1月30日)

以下の研究業績(紀要等)を追加した.

出張や実習を繰り返していた時間に校正した記憶で,半分忘れていた頃に・・・・年末だったような・・・・

 

宮本真二(2013)中池見湿原堆積物の花粉化石からみた最終氷期以降の植生変遷.地域自然史と保全,35,(2),95-102.

宮本真二(2013)袋状埋積谷としての中池見(巻頭写真および解説).地域自然史と保全,35,(2),表紙カバー・裏.

Oumi, Shiga and Lake Biwa: 【補足】「記憶」としての近江(2014年1月29日)

Minami Kusatsu, Kusatsu, Shiga Prefecture. Jan. / 2014. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

Minami Kusatsu, Kusatsu, Shiga Prefecture. Jan. / 2014. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO

 毎年恒例の滋賀県立大学「自然地理学」の集中講義で近江へ.

琵琶湖博物館に勤務していた頃は,年始の寒い時期に行っており,その寒さゆえに,

昨年度は初秋に行った.

しかし,今年は事情で,冬にもどした.

 

瀬戸内生活が二年目となると,近江,とくに湖北の冬は寒く感じた.(具体的には,日本海側の冬)

この期間に合わせて,滋賀時代の懐かしい友人に逢い,その道中の近江の様々な景観は,

昨年は感じなかったことだが,「懐かしい」ということと,「めずらしい」ものに自己の中で変化していた.

 

つまり,一年を経過することによって,近江は記憶された時代になりつつあることを痛感した旅であった.

近江の魅力や潜在力を感じ取ることもでき,研究の対象として冷静に観察することもできた.

つまり,フィールド・サイエンス一般にそうだが,「地元」を研究対象化することは,利点もあるが,そうでない

側面もあるということだ.

 

 

写真では確認できないが,比叡の稜線は,とても美しい.瀬戸内も景観も美しいが,この景観は近江ならではで,

今後が楽しみでもる.

日本生態学会近畿地区会公募集会発表(2013年10月3日)

次週は、福井に。

現地見学会とフィールドシンポジウムのご案内

日本生態学会近畿地区会公募集会 フィールドシンポジウム(共催:関西自然保護機構)
「中池見湿地の自然と北陸新幹線ルート変更問題」
<開催趣旨>
福井県敦賀市にある中池見湿地は、数多くの絶滅危惧種が成育・生息し、現在の日本ではきわめて貴重な湿地として評価されている低層湿原です。昨年7月にはラムサール条約にも登録されました。しかし、昨年8月に、2025年開通予定の北陸新幹線のルートがこの湿地の一部を横切るような変更案が公表されました。このルート変更は、中池見湿地の生態系に大きな影響を及ぼす可能性が高いため、本年3月、日本生態学会は、詳細な影響予測調査を行うことを求める要望書を関係機関に提出しました(http://www.esj.ne.jp/esj/Activity/201303Nakaikemi.html)。
今回企画したこのフィールドシンポジウムは、現地の見学とその後のシンポジウムで、多くの方々に湿地の重要性と北陸新幹線ルート変更問題の概要について知っていただき、湿地生態系への影響と保全の方策について考えることが目的です。数多くの皆様のご参加を期待します。

<開催日時> 10月13日(日曜日)10:00 ~ 16:30
<集合場所> JR北陸線敦賀駅 正面「駅前広場」
<集合時間> 午前10時
(時間厳守、貸し切りバスでJR敦賀駅⇒中池見湿地⇒シンポ会場と移動します)
<参加費>  無料 (昼食・飲み物は各自でご用意ください)
<主催> 日本生態学会近畿地区会自然保護専門委員会・関西自然保護機構
<申込先・問い合わせ先>岩崎敬二(〒631-8502 奈良市山陵町1500 奈良大学教養部)
E-mail:iwasaki@daibutsu.nara-u.ac.jp、Tel:0742-41-9591、Fax:0742-41-0650
ご参加希望の方へ:貸し切りバス予約の都合上、9月30日(日)までに
上記(岩崎 敬二氏)へお申し込みください。

*申込先が、関西自然保護機構の事務局とは異なりますので、ご注意ください。

<プログラム>
第一部:中池見湿地見学会(10:15 ~ 13:15)
現地に詳しい研究者やNPO法人の方々に解説をしていただきます。
*動植物の採集はご遠慮ください。

第二部:シンポジウム
「北陸新幹線建設が中池見湿地の自然に与える影響」(14:00 ~ 16:30)
<会場> 敦賀市福祉総合センター「あいあいプラザ」(敦賀駅から歩いて7-8分)

<内容>

・中池見湿地の希少水生動物
平井 規央 氏(大阪府立大学)
・中池見湿原堆積物の花粉化石からみた最終氷期以降の植生変遷
宮本 真二 氏(岡山理科大学)

・危惧されるラムサール条約登録・中池見湿地に及ぼす北陸新幹線の影響と現地の動向
笹木 智恵子 氏(NPO法人ウェットランド中池見)

・新幹線ルートと中池見湿地の水生植物 ―危惧される影響―
角野 康郎 氏(神戸大学)
・山地源流域の山体地下水が雨水の流出に果たす役割
小杉 賢一郎 氏(京都大学)
・総合討論

<現地への交通の参考> 大阪・京都方面からのJR在来線の主要な時刻と料金を示しておきます。
○往路
・大阪駅7:45(京都線新快速・湖西線経由敦賀行き)⇒京都駅8:15⇒敦賀駅9:50
(大阪⇒敦賀2210円)
・大阪駅8:10(特急サンダーバード5号和倉温泉行き)⇒京都8:41⇒敦賀9:37
(大阪⇒敦賀4500円)
○復路
・ 敦賀駅17:00(北陸本線・近江今津行き)⇒近江今津駅17:36
近江今津駅17:43(湖西線・京都行き)⇒京都駅18:51
京都駅18:59(京都線新快速・網干行き)⇒大阪駅19:28
・敦賀駅17:41(特急サンダーバード36号大阪行き)⇒京都駅18:38⇒大阪駅19:07

日本南アジア学会第26回全国大会@広島で発表(2013年9月19日)

 地理学ではない,地域学会で発表します.

 

地域学会での発表は,

2009年の「宮本真二:「アフリカと南アメリカの半乾燥地域における環境変動期の対比」,日本アフリカ学会,東京農業大学,2009年5月」.以来で, 「南アジア学会」は,現段階では会員ではありませんが,刺激的なプログラムで,いまから,とても楽しみです.

プログラムを見た感じでは,バングラデシュでも研究仲間も発表され,「濃いい南アジア・フェチ?!」が多く,たいへんたのしみです. また,先の職場での知人との再会も楽しみです.

日本南アジア学会第26回全国大会:場所:広島大学大学院文学研究科(東広島キャンパス)」第2日 10月6日(日曜日)

13:30~16:30 全体シンポジウム「大地からみる南アジア世界—環境へのアプローチを考える」 (第1会場:2Fリテラ(B204大講義室))

 

司会:柳澤 悠・岡橋 秀典 趣旨:環境問題への対応、環境との共生は今や世界的な課題である。特に、中国やインドなど急成長する新興国では環境破壊、環境汚染、自然災害など環境に関わる様々な問題が噴出している。環境にどうアプローチするかは、今日の学問につきつけられた大きな課題であるといえよう。 環境はきわめて複雑かつ広範な内容をもつ。自然科学的なアプローチとともに、人文科学からの考察が不可欠な所以である。また、環境が所在する地域のコンテキストも十分にふまえなければならない。この点で、自然、歴史、政治、経済、社会、文化など多様な側面からのアプローチが可能で、それらの総合化を学の課題とする地域研究に期待されるところが大きい。 本シンポジウムでは南アジアの環境に焦点を当て、地域研究における環境研究の今後を展望してみたいと考える。

<報告> [2B1-1]岡橋 秀典:趣旨説明 [2B1-2]松本 淳*・浅田 晴久「南アジアの気候と農業」[2B1-3]宮本 真二「南アジア地域(ブラマプトラ川流域)の民族移動と土地開発」 [2B1-4]山下 博司「インドの環境思想と現代―その可能性と限界とをめぐって―」 [2B1-5]水野 祥子「イギリス帝国の森林政策とインドの経験―帝国林学会議(1920~1947)を通して」 [2B1-6]三宅 博之「現代都市と環境問題」 ( * は発表者)

 

Yarlung Tsangpo, Tibet:ヤルンツァンポ川:チベット(2013年8月30日)

Yarlung Tsangpo. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO. Aug. / 2013

Yarlung Tsangpo. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO. Aug. / 2013

科研費・基盤研究C「アジア・モンスーン地域における土地開発の歴史的変容とその要因解明」,

(研究代表者:宮本真二,課題番号:25370929)で,チベットの現地調査を行った.

これまで,何度かチベットの現地調査のチャンスはあったが,ことごとく政情によってキャンセルされてきたので,今回は

20年以来の待望の機会だった.

事前に学生時代の指導教官の著作等を用意して現地に入った.

 

これまで,ヒマラヤの南面,それも東ヒマラヤを中心とした現地調査を行ってきたので,「乾燥した高地」はとても

新鮮だった.特に,堆積物を観察していて感じたのは,半乾燥地域を調査していたナミビアでの砂漠のなかの細粒堆積物

だった.

 

・・いろいろ解釈したり,考えたりしたことは多々あるが,写真のように「ヤルンツァンポ川」を渡るときは,初めてヒマラヤ

に立った時の感慨をかみしめながら,シャッターを押し続けた.

(実際は,この渡し船の到着が二時間も遅れて,夕方のフライトを気にしながらの調査だった.対面の若い女性は北京近郊からきた30才のバックパッカーで,元気ハツラツ).

 

WEBのトップページのように,ポタラ宮を背景に,新婚写真に熱中するような若さはないが,今回の旅で見えてきたことはいくつもあった.

 

 

帰国したら,ママ韓国に飛んで・・・夏は,いつの間にか「終わり!?」

お盆の大学と,締め切りと「長靴と」(2013年8月15日)

Okayama Univ. of Science. 5F. 21 Buil. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO. 15th/Aug. 2013

Okayama Univ. of Science. 5F. 21 Buil. Photo by Dr. Shinji MIYAMOTO. 15th/Aug. 2013

この時期,海外にでかけていることが多かったが,今年は,たまたま日本にいると,たまった仕事で大学に,ふつうに来てしまうのは,学生からの習慣.

ほかに行くところを知らない.

 

とうぜん,学生さんも,事務の人も少なくて,工事の人が大半で,閑散としたキャンパス.

 

理系の大学なので,実験系の学部の先生は夏休みも関係なく,出勤されている.フィールド系の先生は,フィールドへ..

 

「酷暑」で,日中は,立ちくらみそうなほど,瀬戸内の気候も厳しく,研究室も空調は効いていても暑い.

 

⇒あと,一度下がってくれると「快適」だが,窓際は暑く,熱中症に気をつけながら,いろいろな作業を進めた.

 

この期間はとても貴重.

 

・・・と思っていたら,家人らは,「・・・・・・」らしい.

学科でも,少なくとも三人の先生は,毎日研究室にいはる.

 

みなさん,「大学が好きで,研究大好きなんだと」感じ入る.

 

結構なことです...

 

【写真】

息詰まると,掃除に励んで,いろいろ片付く.

研究室前.誰もいないが,ヘルメットと長靴が目立つ.

Wikipediaの自己書き込みと,大学の夏休み?(2013年8月7日)

大学は学内のいろいろな工事が始まり,夏休みらしくなってきたが,いろいろな締め切りで,忙しい.

 

そのようななか,表題のように「Wikipediaへ自己書き込み」するヒトを確認.

知人を介して,知った直後,・・・となって,ある程度の知識があれば,「見合いの・・・」で,ネットでの露出があれば,評価に結びつくと感じているのだろうか!?

と,(苦笑).

 

秋からの学会で発表するネタを仕込んだり,原稿のコンテンツを考えたり,実験処理の手順を考えたり,科研費の購入品,海外調査の手配など.......自転車操業!

 

 

【研究室の比較写真】左は今年の3月(2013年3月).右は昨年の6月(2012年6月).「景観」変遷が著しい.今は,少し進化し,文献整理が進展.

 

Dr. MIYAMOTO's Laboratory (April. 2012)

Dr. MIYAMOTO’s Laboratory (April. /2012)

Mar. /Miyamoto Labo. /2013

Dr. MIYAMOTO’s Labo. (Mar. /2013)