環境史研究会の感想(2月2日)

先日の研究会の感想。

 

1.古典的な、いや、オーソドックスなテーマであったとしても、地道なデータ収集をもとにした論理展開は重要。

2.結論が先行する論理展開は、循環論に陥る。

3.「環境史」と冠するメリットは、やはり異分野や隣接分野において、主題を共有できること。このことは、異分野であったとしても、フィールド・ワークを重視するような基礎科学にとって、大事なこと。その場合、主題はある程度、共通の理解・経験が共有されている素材がよい。

 

・・・というような、ことを再確認し、勉強になった。

今後、どういう風に研究会を継続させようか思案中。移動しながら。

 

【補足】

研究会とは全く関係ないが、メディアを使って話題性重視(重視というようり、情報が咀嚼できておらず、組織内の立場性とか、そんな「しょうもない」ことしか頭中にないのだろう・・・)の「公表」がいまだ展開されていることに、落胆し、懇親会で話題になる。(ある意味、あきれたが)

「検証性」、工学的に表現すれば、「再現性」だろうが、このプロセスを拒否するような手続きをとった公表【もどき】は、ねつ造を生むのではないか?、とさえ感じた。

科学というものに対する信頼性が揺らいでいる中、学ぶという行為を冒とくしないでほしい。

第19回環境史研究会(2012年1月29日開催)

2012年1月12日

みなさまへ

       環境史研究会

                                 宮本真二

第19回 環境史研究会の開催について

このたび,標記研究会を下記の内容にて開催しますので,お気軽にご参加ください.なお準備の都合上,ご参加いただける方は,下記の連絡先まで可能な限り,E-mailでお知らせいただきますようお願いいたします.

それでは,よろしくお願いいたします.

 

 

1.日時:2012年1月29日(日)

13時30分 〜 17時00分

 

2.場所:滋賀県立琵琶湖博物館 1F会議室(正面入り口入って左すぐ)

住所:〒525-0001滋賀県草津市下物(おろしも)町1091番地

経路等の詳細は琵琶湖博ホームページ(Web)でご確認ください:http://www.lbm.go.jp

JR東海道(琵琶湖線)線「草津駅」西口からバスで約25分(420円).

※ご注意:博物館への公共交通(バス)は以前より大幅に本数が減少しています.上記Webなどでご確認ください.

 

3.報告者と演題:

 

古関 大樹さん(京都女子大学・非:地理学)

 「日野谷の開発と戦国大名蒲生氏

        —地籍図による景観・水利の復原調査から—」(仮題)

 

橋本 素子さん(京都光華女子大学・非:歴史学)

 「日本中世における茶の生産について」(仮題)

4.その他

終了後,草津駅近辺【懇親会】を行いますので,こちらもお気軽にご参加ください.

 

 

 

ご連絡先:

宮本 真二(みやもと しんじ)

〒525-0001 草津市下物(おろしも)町1091番地

     滋賀県立琵琶湖博物館 研究部 環境史研究領域(地学研究室)

Tel: 077-568-4811(代) Fax: 077-568-4850(代)

E-mail: miyamoto@lbm.go.jp

琵琶湖博物館 職員公募

以下のように職場の公募です。

琵琶湖博物館で学芸職員募集を行っています。
情報伝達に御協力いただきたく、よろしくお願いします。

滋賀県学芸職員採用選考
1. 勤務先: 滋賀県立琵琶湖博物館
2. 人員: 2名
3. 専門分野:
(1) 環境社会学、環境人類学あるいは環境史学 1名
(2) 古微生物学 1名
4. 採用予定時期: 平成24年(2011年)4月1日
5. 応募受付締切: 平成23年(2011年)12月16日

受験案内
http://www.lbm.go.jp/active/about_us/syokuin-bosyu/juken11_2.html

遺跡の立地環境からみた琵琶湖周辺の環境史

水野章二編『琵琶湖と人の環境史』,岩田書院.

が手元に届きました.

私が分担執筆した部分は,下記です.

厳しい学術書出版事情の中,すこしでも売れてくれればいいのですが...

宮本真二(2011)遺跡の立地環境からみた琵琶湖周辺の環境史.水野章二編『琵琶湖と人の環境史』,岩田書院,27-40.

琵琶湖と人の環境史(新刊案内)

私の拙論はのぞいて、標記の一冊が刊行されたよう(まだ手元になく、チラシが先行して届いた)ですので、ご案内いたします。 

やはり、琵琶湖周辺地域は、「環境史研究」の先端的な場であることを自覚しました。

ちなみに、私の原稿の著者校正時、初校はヒマラヤ山中の3800mのテントの中で、再校は、バングラデシュのジャムナ川の船上で、デジカメで原稿を作成し、アクセスポイントに注意しながら、メールで返信するという、「離れ業」で、内容より、そちらのプロセスが想い出深い作品となりました。

(ここから、岩田書院のWebより転載)
琵琶湖と人の環境史
附録CD-ROM

水野 章二 編
(滋賀県立大学教授/1954年生まれ)

2011年5月刊
A5判・272頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-691-8 C3021
6600円 (税別)

本書は2006年度から4年間、滋賀県に拠点を置く滋賀県県立大学・滋賀県立琵琶湖博物館・滋賀大学3機関の環境史に関心を持つ研究者が、科学研究費補助金を得て、共同で進めた「琵琶湖の歴史的環境と人間の関わりに関する総合的研究」の成果をまとめたものである。
文献史学・考古学・地理学・民俗学などの研究者が、琵琶湖というフィールドを対象に、そこで展開された人と自然の関係を考察し、新しい環境史研究の構築をめざした。
共同研究のなかでは文献史料や地籍図などの調査・収集も進めたが、最も力点を置いたのは、琵琶湖集水域の古代・中世集落遺跡を、刊行された発掘調査報告書 から拾い出し、それを集成する作業であり、その成果が添付CDの資料である。なお湖東地域については、整理内容を旧市町単位に文章・グラフにまとめた。
【主要目次】
序章 琵琶湖の歴史的環境と人間 水野 章二
第1章 遺跡の立地環境解析からみた琵琶湖周辺の環境史 宮本 真二
第2章 近江の古代・中世集落遺跡−栗太郡の分析を中心に− 志賀 崇
草間正彦
コラム 湖東地域の古代・中世集落遺跡 水野 章二
第3章 近江国河上荘の湖岸と後山 水野 章二
第4章 中世前期の堅田漁撈
−『賀茂社諸国神戸記』所収堅田史料の紹介−
橋本 道範
第5章 安土城築城期における大中の湖の湖沼環境変化 古関 大樹
第6章 近世の琵琶湖岸村落と幕藩領主
−高島郡針江村の水辺の土地支配−
東  幸代
コラム 中世奥嶋の環境と土地利用 杉浦 周子
第7章 琵琶湖岸における逆水灌漑 市川 秀之
第8章 琵琶湖岸村落の「文化的景観」の全体構造
−滋賀県高島市針江地区の「里湖」と「里川」−
佐野 静代
コラム 琵琶湖岸の生業と景観
−「近江八幡の水郷」の現状と課題−
塚本 礼仁
付録CD 近江の古代・中世集落遺跡集成 志賀 崇
草間正彦
湖東地域の古代・中世集落遺跡 国分 政子

科研費の採択通知

私の代表の科研費はまだ継続中ですが、研究分担者として昨年度申請していた下記の課題が採択されたと通知があったようです。

歴史学(中世史)の研究者との「環境史」に関わる仕事です。

基盤研究(C)「日本中世における「水辺推移帯」の支配と生業をめぐる環境史的研究」(研究代表者:橋本道範)

研究史の「迷路」と,「喜び」

ここ数日,「地域研究の意味」にこだわって,さまざまな領域の文献研究を行っている.

・・・と,このように記述すれば,聞こえはいいが,実際は,締め切りに追われた仕事の中で,文献を読み込んでいくうちに,「はまって」しまって,つぎから,つぎへと,研究史上の迷路のなかをさまよっている,というのが実際だ.

ここでは,具体的に展開しないが,1950年代初頭という,戦後(第二次世界大戦)明けの混乱期においては,敗戦国日本の規範のなかで,学問・科学の領域の再編成が行われた時期,当日の言説はメタな議論が横行し,志を感じることができる.

これから見ると,技術は進歩・進化したが,学問は??や,いまの議論は・・・???とも感じてしまう.

数年前に自分の立場性や位置に悩んだ時期に上記の研究史に触れ,刺激を受けたが,今更ながら再度その波が覆ってきている

宮本真二(2004)フィールドからの環境史−地理学からの応答−.日下雅義編『地形環境と歴史景観−自然と人間との地理学−』,古今書院,7-21.

世代論で議論することを好まないが,自己に照射してみると,今後の研究の方向性を検討する時になっているというのを実感する.

また,科学や学問を志す「次世代」の方には,「流行(はやり)」に惑わされず,上記の時期の研究史の熱き議論に触れて欲しいとも思う.

なぜなら,もう半世紀以前の言説に,私が「共感」できること自体,学問をする「喜び」でもあるからである.

 

【閑話休題】

写真は,2005年〜2008年まで通っていた南部アフリカ,ナミビア共和国のクイセブ川中流域に分布するHomeb Silt層.

左下の木の木陰が唯一の日陰で,40度を超える砂漠の日射の中,フンコロガシと格闘しながら,ガケに挑んだ.

その成果は,

Shinji MIYAMOTO (2010) Late Pleistocene Sedimentary Environment of the “Homeb Silts”Deposit, along the middle Kuiseb River in the Namib Desert, Namibia. African Study Monograph Supplementary Issue, 40, 51−66.

intenet discussions その一

深夜の「思索」はろくでもないが,あえて,【趣味】として.

 

このごろ,というか,ここ数年.ネット環境の利便性を享受しているが,「携帯電話では,メールを打ちたくない.

 

・・・を考え(妄想し)て.

 

1.「携帯電話」論

2.「携帯メール」論

3.「SMS」論

 

に,現段階では説明要素として区分できよう.

 

ここで,まずは,1.

基本的に電話は嫌い.時間を強制的に搾取される.したがって,小生の行動原理を理解していただいている方しかなく,小生にかかってくる電話は,ごくごく少数.

基本的に,サイレント・モード・あの呼び出し電子音は,いまだに慣れないので,たぶん,自分には合っていないのだと思う.

 

2.への展開.

上記の1のような状態なので,基本的に「打たない」.打っても家族への【了解】のみ.

ここが,重要.

 

....なぜ,携帯でメール(今は,iphone4だが)を「打ちたくない」と思うのは,【言葉・レトリックが消費されるから】

・・だと,自己分析.

つまり,コトバの【重み】が,消費される,と考えているからだろう.

もちろん,その制度で,コミュニティが構築される過程は,途上国で見ているので,利便性などは理解している.

 

・・・が,「軽さ」には,たいへん違和感を覚えるし,コトバは大事.

なぜなら,日本語ができないと,外国語はできない.

(説明はいるが,日本語での自己表現方法を理解しないと,外国語へは,展開できないだろう.)

 

最後の3は,上記二点と関連し,正直

 

「この更新時間があったら,論文を読みたい」.

・・・というのが,真実だろう.

 

【オチ】

 

...と,自己納得の段階(みそぎ?)は終了した?.

 

要は,フィールドの迫力を無視できない「感性」の必要性だろう.

環境史と地理学の関係性

こういった時間と媒体は,表記の話題では適当でははないが,最近の思考ノートとして記述する.

(宮本(2004)のその後の解釈である).

 

自分に置き換えて,自分化する.

 

1. 「地理学」とは?,

・・・「自然と人間関係との相互対応関係を,時間軸と場所性のなかで,展開・議論してゆく領域」
2. 「環境史」とは?,

・・・・「隣接もしくは,異分野を【融合】,【つなぐ】,レトリックとして,その発生経緯(研究史)からみて,大事なワード.

 

3.「環境考古学」とは?.

・・・・2に同じ.加筆すれば,【技術論でない環境考古学やGeo-Archaeologyへの期待と問いである.】

 

・・・である.

・・とくに,1)の地理学という領域への,私の想いは「愚直」までに,一貫しているし,今後も,何を,批判されようが,そうする覚悟はある.

 

それは,【志(こころざし)】(私にとっての)でもあり,プロとしての「支え」でもある.

 

・・・おおげさですが,存在の意義でもあります.

 

私にとってはですが,魅力ある「地理学」への想いは,たぶん,他人以上にあり,それは,「今後の世代」への期待です.

余裕とデッドラインと原稿と発表と・・・

「多忙さ」を理由にしたくないが

なかなか,シンドイ日々.

その中にも,暖かい励ましに,アラフォーは感じいる.

以下の,行事で参加はできないのですが,発表するタイトルなど.

作業しているうちに現地のカウンターパートの顔や表情,

それよりも「ふるまい」が思い出されて,「がんばらないと」,と

思います.

他にも,バングラデシュでの学会誌に投稿作業を行いました.

日本語の原稿も再会するために,ワーキングペーパーに目をとおしていたら,また「感じ入る」レトリックに,・・・・感動しました.

文章は,「大事」です.

追伸

写真は,11月の夢のようなブータン調査の一コマ.

(この時点で,2週間以上山にいたので,「匂い」はたいへんなものだったと思うが,たのしかった).

Shinji MIYAMOTO (Lake Biwa Museum, JAPAN), Kazuo ANDO (Kyoto University, JAPAN), Nityabanda

DEKA (Gauhati University, INDIA), Abani Kumar

BHAGABATI (Gauhati University, INDIA) and Tomo RIBA (Rajiv Gandhi

University, INDIA)

“Historical Land Development in Central and Eastern Himalayas”

International Workshop “Integrated Studies on the Susutanable Agriculture and Rural Development toward Research and Education” in Myanmar at Yenzin Agricultural University.